危険な天狗 〜medicine of Aya〜

第一話

 文は迷いの竹林の上空を飛びつつ、今もらった紙に目を通す。
『試して欲しい薬は6つ。人間用、妖怪用とあるので、それさえ間違えなければ誰に服用させても良い』
 手元の薬を見てみると、白いカプセルと赤いカプセルが3つずつあった。文は薬を落とさないように握りしめながら、続きを読む。
『白いカプセルは人間用、赤いカプセルは妖怪用。そして、透明のカプセルは薬の持続時間を減らすために用いよ』
 もらった薬を注意深く探ってみると、確かに透明のカプセルがあった。
(なるほど。薬の効果が分かったらこれを使え……と)
 これからやることが一通り分かった文は、翼を羽ばたかせて空を舞う。
「目指すは……博麗神社!」
 文は何にも邪魔されることなく、真っ直ぐに飛んでいった。

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