迷子の月 〜exploration of Luna〜
プロローグ
「困ったわねぇ……。二人とも、どこ行ったのよ」
今日はいつもと違って、久しぶりに夜に三人で探検しに来た。だが、周りを見渡しても誰もいない。気配もない。そして、今自分がいる場所がどこであるかさえも分からない。月の妖精、ルナチャイルドは迷子となっていた。
(まあ、スターが見つけに来てくれるわよね。きっと)
スターの能力は『動く物の気配を探る程度の能力』。運が良ければ、すぐにでも見つけてもらえるはず。なら、何も恐れることはない。もう少しの辛抱だから。
だからといって、ここで待っているのは嫌だ。まだ昼だというのに、なぜか薄暗い。こんなところにいるより、近くを探検した方が面白いだろう。
ルナは決心して、見知らぬ土地を彷徨い始めた。